わたしを離さないで

 長らく本棚に飾っていたカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を昨夜久しぶりに開きました。確か途中で挫折したんだよね。TBSのドラマ版が大好きで、毎週欠かさずに観ていました。物悲しい雰囲気の中に垣間見える一筋の希望、本当に良いドラマだった。

 何が私の心をそんなに掴んで離さなかったのか、その内容の切実さかね?役者の表現力も大きい。役者の表現力。もうどうにもならねえや!もう書かないと言っていたのに、結局そこに行き着いてしまう。心が持って行かれてどうしようもない。どうしてわたしを離してしまったんだ。どうして世界から自分を切り離してしまったんだ。何とか違う結末を迎えることは出来なかったのだろうか。

 考えて、考えて、考え抜いてもどうにもならなかったからこうなったんだし、私もいい加減受け入れろ。毎日泣き明かして、目を腫らしていたってもう戻らないんだよ。もう帰って来ないんだよ。私の心を掴んで離さなかったその人は、永遠の30歳。そろそろ映像を観られるかな?とWOWOWで放送していた2009年の春馬くんが初出演した舞台「星の大地に降る涙」を恐る恐る観てみました。

 冒頭、颯爽と現れる春馬くんを目にして嗚咽してしまったため、「まだ全然観られねえや!!」と撤退。自ら傷つきに行くのは止めた方がいい。心が限界のところまで来ている気がするし、どうしたらいいのか分からず、ただ泣き腫らすだけさ。春馬くん、責任取ってくれや。誰よりも幸せであって欲しかった。「ま、人生はこんなものかな」くらいでいい。それくらいでいいからさ、生きていて欲しかったよ。

 あの日から、報道があったあの日から、私の心のどこかが死んでしまいました。心が死んだことに気付かないまま、パイセンにのめり込み、慌ただしく日々は過ぎて行きました。そして少しパイセン熱も落ち着いた今、悲しみが雪のように降り積もり、どうにもならない事態に。パイセンにひた走っていた時は悲しみを忘れられたけれど、この薬もそんなに長続きしないや。

 もう街を歩いていても、春馬くんとすれ違うことはないんだ、と考えると永遠に失われた悲しさに倒れそうになる。自死という結末に心が追いつかず、どう頑張っても立ち直れそうにないんです。早くこのやるせなさから解放されたいと願う日々よ。お別れ会なんか開かれたってさ、そんなことで楽になれたらこんなに苦労しないわ。追悼なんて出来っこないよ。もうどうしたらいいんだ。

 以前はもう書かないと約束したくせに、当たり前のように書いてしまってごめんなさい!やりきれなくてさ。悲しくてやりきれなくてさ。どんな言葉も慰めも今の私には響かないし、受け入れられないけれど、言葉が欲しい。確かな言葉が欲しい。たったひとつの道標が欲しい。春馬くん、愛しています。尚も深く。