僕に悲しみの話をして

 カラットちゃん、こんばんは。ステイホームは音楽三昧でございます。セブチのお陰でステキなコンポを手に入れ、部屋中に重低音が響き渡っています。亡き祖父のCDプレーヤーでは文明に太刀打ち出来なくなりつつあったので、良い買い物をしたわ。

 さて、最近地震が多くて、コロナと地震のコラボは結構です。私は多少の揺れでは眠り続けるので、母上がそれを見て笑っています。カラットちゃんは地震が来ても、その都度起きますか?それとも私みたいに揺れを自覚しながらも、ベッドで横たわり続けますか?気になる!!

 私が幼子の頃に阪神淡路大震災が起き、晴れて大学入学の時に東日本大震災が起きました。東日本大震災の時は、テレビの右下に映し出される被災した日本地図の表記に恐れ、悲しい夜が続いたことを思い出します。そして今回のコロナウイルス

 生きていれば、想定外の事態には見舞われます。でも毎度毎度、想定を遥かに上回った事態に、我々は脅かされ続けてはいませんか?だからこそ、新緑の青さに涙が出てくるのかな。音楽を聴いていたら、束の間の安息に泣けてきちゃうのかな。

 毎日、人は死んでいます。もちろんコロナ以外でもね。そしてこのコロナ禍の中でも産声を上げる赤子がいます。そうした営みを私たちは永遠に続けているんですね。その永遠の営みの中に、私という足元がおぼつかない女が日々何かに憤って、時に感激して生きています。そう考えたら、泣き顔さえも真夏の夢でありんす。

 今の状況では、運送業の方々の有り難みが身に染みますが、彼らも運ぶものがないと生活が成り立たなくなります。そう考えると全ては循環しているんだと思います。だから、必要以上にネットショッピングに頼る自分を悪く思わなくて良いんだ。

 だって目下の目標はステイホームなんだからね。うろちょろすんな、ということでしょう。散歩はお許しくださいまし。沿道のバラを眺めるのもお許しくださいまし。今は緑が一番きれいな季節です。幼子よ、緑の青さを目に焼き付けなさい。そして傷付きながらも、再び立ち上がれる強さを持ちなさい。

 一度踏まれた人を、再度踏みつけるのはやめなさい。なんだか聖書の教えみたいですね。何だっけ?こんな教えがあった気がするなー。ま、私は官能的な「雅歌(がか)」が好きだったくらいで、聖書の授業中はいつも物思いに耽っていました。

 堤真一も授業中は物思いに耽っていたんだって!(父上の友人談)物思いに耽っていながらも俳優になれた人は良いけど、耽りすぎて何者にもなれなかった女がここにいますよ。 物思いに耽る姿が絵になる、なんて言われて鼻高々でいたら、何者にもなれなかった女が通りますよ。

 ステイホームで、より思索に耽りそうでこわひ。大林宣彦を追悼しなきゃいけないし、意外に忙しいですぞ。カラットちゃん、いつか会いましょう。